おりがみ図鑑

日々のおりがみ作品に作者や折り方の本を添えて紹介(ちらほら更新中)

でめきん

作品名 でめきん, デメキン, 出目金
作家名 林一夫

 小林一夫さんの著書に出ていました。本には作者や原案者の名前がなかったので、小林さん自身の作品か、伝承作品なんだと思いますが、正確なところはよくわかりません。

 正方形の紙 1枚折りですが、尾ひれを作るのに切り込みを入れています。折り方は簡単なのに立体的でとてもかわいらしく出来上がります。

折り方はこの本に出ています

親子で遊んで楽しい! おりがみ大図鑑136

親子で遊んで楽しい! おりがみ大図鑑136

蓮の花

作品名 蓮の花
作家名 藤本修三

 六角形の紙一枚で折ります。沢山線をつけて折り畳んで作る「たとう」の一種のですが、最後に花びらをひっぱり出すと立体になるすぐれものです。


▲裏側はこんな感じになってます。

折り方はこの本に出ています

おりがみ ねじり折り―藤本修三ワールド (おりがみ工房)

おりがみ ねじり折り―藤本修三ワールド (おりがみ工房)

水から顔を出した河童たち

作品名 水の中の河童   作品名 河童の顔
  作家名 笠原邦彦     作家名 川畑文昭

 笠原さんと川畑さんの河童です。なぜかどちらも水面から顔を出したような状態なのが競作勝負のようで面白いので並べてみました。


笠原邦彦:水の中の河童

 笠原さんの河童は、顔とお皿が別の紙でできています。顔は箱を斜めに潰したみたいな変わった形になっています。笠原さんの作品は大胆で面白いものが多いです。河童の手も笠原さんの作品です。

笠原さんの「水の中の河童」はこの本に出ています

おりがみ 幻想世界の生きものたち―伝説・神話・ファンタジーを折る

おりがみ 幻想世界の生きものたち―伝説・神話・ファンタジーを折る

 伝説の生きものがいっぱい。簡単に折れるものから、難しいものまでとりそろっています。残念なことに説明が足りない部分が多く、手慣れた人でないと難しいかもしれません。



▲川畑文昭:河童の顔

 川畑さんの河童は顔・お皿ともに一枚の紙でできています。オリジナルは顔だけなので生首みたいで不気味なのですが、笠原さんの河童みたいに手があったら可愛いんじゃないかと思い、手はわたしが適当に折りました。

川畑さんの「河童の顔」はこの本に出ています

おりがみ 世界の空想動物 (ホビーサポート)

おりがみ 世界の空想動物 (ホビーサポート)

 こちらも伝説の生きものがいっぱい。笠原さんの「おりがみ幻想世界の生きものたち」と芸風がかぶっていて両方買うと幸せになれるかもしれません。二枚以上の紙を使う作品が多く、折り紙に慣れている人だと「なんだ一枚折りじゃないのか…」となりそうですが、そのかわり難易度が低めで子供でも折れそうです。

星の子

作品名 星の子
作家名 藤本修三


▲左:伝承の六芒星、右:藤本作品の星の子

 これもすごい。正方形の紙から六芒星(ろくぼうせい、ダビデの星)を折っちゃうんですから。

 写真の左は女の子が便箋などで良く折っている伝承折り紙の六芒星です。長方形の紙からも折れますが、正方形の紙からも折れます。右の少し小さいのが藤本さんの「星の子」です。大きさが違うくらいで、ぱっと見は同じに見えますよね?

 ところが裏返すと…??


▲左:伝承の六芒星、右:藤本作品の星の子

 このとおり、伝承作品は紙の裏の色が出ちゃうのですが、藤本作品は紙の裏が出ないのです。前から見ても、後から見ても、同じ色の六芒星になります。

 慣れないうちは、関係のない折り目が沢山出てしまい、きれいに折るのが難しいと思いますが、何度か折って構造を理解すれば、最小限の折り目で作れると思います。チャレンジしてみてください。

星の折り方、六芒星のおりかた

藤本さんの「星の子(六芒星)」の折り方はこの本に出ています

おりがみ ねじり折り―藤本修三ワールド (おりがみ工房)

おりがみ ねじり折り―藤本修三ワールド (おりがみ工房)


なお、伝承の六芒星の折り方はこちら(昔わたしが作った動画です)


▲正方形から折る



▲長方形から折る

むかで星

作品名 むかで星
作家名 藤本修三

 何がすごいって四角い紙からとんがりが五本ある星を作っちゃうところがすごい。しかも長方形から作るんですからビックリです。それほど難しい折り方ではないので小学生でも練習すれば折れるようになるはずです。

 写真のように、1:√2の長方形で折ります。そう書くと難しいように感じますが、この比率はA4やB5といったコピー用紙の企画と同じ比率ですし、最初の紙が1:√2ならば、長いほうの辺が半分になるように裁断すると、切ったあとの紙も1:√2の比率になります。

 難しいことはわからないやっていう場合は、コピー用紙を四分の一か、八分の一にして使ってみてください。写真の紙はA4の紙を八分の一にしてあります。

 この作品が「むかで星」と呼ばれるのは、真ん中にできるポケットに星のとんがりを刺していくと、ムカデのように長くつながるからだそうです。

 ただ、残念なことに裏と表で色の違う紙で折ると、下の写真の左側ようになってしまうのです。

 色分けの星もポップで可愛いですが、それじゃ困る場合は、裏表のない紙で折るといいですね。


五芒星の折り方 星のおりかた

折り方はこの本に載っています

おりがみ ねじり折り―藤本修三ワールド (おりがみ工房)

おりがみ ねじり折り―藤本修三ワールド (おりがみ工房)

 藤本修三さんという折り紙の偉い人の作品を、藤本さんよりはやや若手の折り紙の偉い人たちが研究し、一般の人にわかりやすく紹介した本です。

 おりがみの本としては中級以上向けだと思います。というのは、子供向けの作品のようにかわいい動物なんかはまるで出てこないのです。いきなり紙を正六角形に製図する(しかも定規もコンパスも使わないで)ところから始まって、容赦なくねじり折りを繰り返し、幾何学的な飾りをおりまくるという、一般にはとっつきにくい本です。

 でも大人だったらかえってこういう本にはまるかもしれません。わたしも折りはじめたらやめられなくなり、なんの役にたつんだかわからない飾りを次から次へと折りまくってしまいました。

宇宙から飛ばす紙飛行機

宇宙から飛ばす折り紙ヒコーキ

宇宙から飛ばす折り紙ヒコーキ

 図書館から借りてきました。ちょっと前の話ですが、おりがみの飛行機を宇宙から飛ばして、うまく地上まで着陸させようという試みが実際に計画されていました。

 紙は燃えやすいものです。でも、うまく空気抵抗を受ければスピードが落ちて地上まで燃え尽きずに降りてくる可能性があります。スペースシャトル・コロンビア号が地球帰還の途中で大爆発を起こした時も、紙だけは燃え尽きずに地上まで降ってきたそうです。

 そこで耐熱性・耐水性の高い紙を使い、精密に折った紙飛行機で風洞実験が行われました。すると紙飛行機はマッハ7の風速にも耐えられたということです。

 あとは宇宙から絶妙な角度で投げ落とすだけです。これが成功すれば宇宙から地球への物資輸送に、まったく新しい可能性が開けるかもしれません。おりがみが次の時代を作るなんて夢のような話です。

 ところが、この実験は実現しませんでした。投げ落とす角度を間違えると大気圏に突入せず宇宙に飛んで行ってしまうか、運が悪いと(?)地球周回軌道をまわりはじめ、人工衛星などと衝突するかもしれないというのです。

 というわけで残念ながら今はまだ夢のままですが、夢の実現に思いをはせながら、紙飛行機を折ってみるのもいいものです。

 この本には実験に使う予定だった紙飛行機(六種類)の折り方と専用の紙がついています。

 一部セロテープでとめる部分がありますが、切り込みなどは入れず、それぞれ一枚の紙で折れるようになっています。ペーパークラフトなどではなく、本当に紙飛行機です。

 この線の交点からあっちの線の交点まで谷折り、というような精密な作業が必要なので、フリーハンドでも折れますが、定規を用意したほうがいいかもしれません。

 きちんと指示通りに折れたらスペースシャトルのような立体的な紙飛行機ができあがります。

4つの薔薇のキューブ

作品名 4つの薔薇のキューブ
作家名 笠原邦彦

 オリジナルは正方形の紙を6枚使って折るユニット作品で、写真の左側の四角いやつがそれです。裏が赤、表が緑の紙を使って折って組み立てると、角の四ヶ所に薔薇の花模様が現れます。バーボンウィスキーのフォアローゼスを意識して作られた作品だそうです。

 パーツは薗部式ユニットおりがみのアレンジなので、12枚使えば金平糖型にも組み立てられます(写真右側)。

折り方はこの本に出ています

おりがみ新発見〈2〉キューブの世界

おりがみ新発見〈2〉キューブの世界

 タイトルの通りキューブを追求した本ですが、後半は紙を蛇腹に折るなどの方法で球を追い求める内容になっています。中級以上向け。