おりがみ図鑑

日々のおりがみ作品に作者や折り方の本を添えて紹介(ちらほら更新中)

お内裏さま、お雛さま、三人官女、五人囃子

作品名 折りびな
作家名 田中サタ

 『三月ひなのつき』という50年くらい前の児童文学があります。物語の中で主人公がお母さんに作ってもらうおりがみのお雛さまのモデルがこの折りびなだそうです。

 本に書いてある情報によれば、2003年に亡くなられた田中サタさんという人が、昔どなたかに習ったものだそうで、それが作家の石井桃子さんの目にとまり、物語の中で使われました。

 作ってみるととてもかわいらしく、なおかつ表現が繊細ですばらしいです。人形1体につき4〜6枚の紙を重ねて使い、ハサミを何ヶ所か入れますが、裁ち落とす部分は少なく、ペーパークラフトではなく、あくまでおりがみの手法で作るおひなさまです。

新版 折りびな (福音館の単行本)

新版 折りびな (福音館の単行本)

 作り方はこの本に出ています。『三月ひなのつき』が出版された当時、折りびなが実在するなら折り方を知りたいという声が全国から寄せられたので、この本が出版され、出版者で折り方の講習会が開かれたこともあったそうです。1992年に一度絶版になりましたが、2012年に再販されました。

 もうすぐ桃の節句です。まだ間に合いますのでぜひ折ってみてください。